龍使いの歌姫 ~神龍の章~
壊れた封印
あの後、レインはサザリナに連れられ、城の地下へとやってきた。
長い螺旋階段を降りながら、前を歩くサザリナを見る。
(詳しく聞く前に、着いて来いと言われたけど、一体何の用なんだろう?)
彼女が自分をここに連れてくるよう命じた人間だというのは分かったが、自分に何をさせる気なのかは分からない。
(長い階段……どこまで続いているんだろう)
何故か、言い知れぬ不安というのを感じる。先程から下へと降りる度、頭の隅で何かがちらつくのだ。
永遠に続くのかと思った階段にも、ようやく終わりが見えた。
大きな青い扉には、鍵穴の無い錠前がついた鎖が厳重に巻かれている。
錠前には何かの印が刻まれており、レインはどこか見覚えがあった。
(私、この場所を知ってる気がする……)
セレーナは、自分をいなくなった忌み子の赤子だと言った。
けれども、到底信じられない。
だが、この場所には確かに見覚えがある―というより、懐かしさを感じる。
ここに、いたことがある気がした。
サザリナは印へと手をかざす。すると、印が光り錠前が外れた。
サザリナは扉を押し開けると、レインを振り返る。
「……さぁ。中に入るがいい」
「………」
レインは促されるまま、扉の先へと進んだ。
「!」
そして、大きな半透明の半球の中に、大きな龍が丸くなっている姿に息を飲んだ。
龍の谷にいる龍よりも大きく、黒くくすんだ鱗に、金色の鱗が少しだけ見える。
だが、その金色も黒が混ざってるせいで、随分くすんでいた。
金色の瞳もどことなく濁っており、荒い息を吐きながら、遠くを見ている。
「……あ……あぁ……」
レインは、心の底から激しい悲しみが沸き上がるのを感じ、その場で膝を着く。
長い螺旋階段を降りながら、前を歩くサザリナを見る。
(詳しく聞く前に、着いて来いと言われたけど、一体何の用なんだろう?)
彼女が自分をここに連れてくるよう命じた人間だというのは分かったが、自分に何をさせる気なのかは分からない。
(長い階段……どこまで続いているんだろう)
何故か、言い知れぬ不安というのを感じる。先程から下へと降りる度、頭の隅で何かがちらつくのだ。
永遠に続くのかと思った階段にも、ようやく終わりが見えた。
大きな青い扉には、鍵穴の無い錠前がついた鎖が厳重に巻かれている。
錠前には何かの印が刻まれており、レインはどこか見覚えがあった。
(私、この場所を知ってる気がする……)
セレーナは、自分をいなくなった忌み子の赤子だと言った。
けれども、到底信じられない。
だが、この場所には確かに見覚えがある―というより、懐かしさを感じる。
ここに、いたことがある気がした。
サザリナは印へと手をかざす。すると、印が光り錠前が外れた。
サザリナは扉を押し開けると、レインを振り返る。
「……さぁ。中に入るがいい」
「………」
レインは促されるまま、扉の先へと進んだ。
「!」
そして、大きな半透明の半球の中に、大きな龍が丸くなっている姿に息を飲んだ。
龍の谷にいる龍よりも大きく、黒くくすんだ鱗に、金色の鱗が少しだけ見える。
だが、その金色も黒が混ざってるせいで、随分くすんでいた。
金色の瞳もどことなく濁っており、荒い息を吐きながら、遠くを見ている。
「……あ……あぁ……」
レインは、心の底から激しい悲しみが沸き上がるのを感じ、その場で膝を着く。