不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
ゲオルグは楽しげに語る。
「マユコはいい匂いがするな。なぁ、ジリアン。おまえ、感じないか?」
「感じる。マグノリアに似た香りだ」
モクレンのことだ。モクレンの花言葉は〈自然への愛〉だった。
「マグノリアは割と大きく育つ樹木だったな。マユコには、樹木の守護があるのかもしれん。カーラは気付かなかったようだが」
ゲオルグが呟いたが、まゆこはそれどころではなかった。
「え……。わたしは感じないんですけど。匂うの?」
ぎょっとしたまゆこは、自分の手や肩近くに鼻を寄せた。くんくんとする。
ゲオルグは笑いだす。ジリアンと違ってこの男はよく笑う。見せる笑いとでも言えばいいのか。大げさな感じもした。
笑うことで人の警戒を解くとするなら、なかなかの策士かもしれない。
もっとも、まゆこの警戒心は一向に薄れないばかりか、ますます後ろに下がりたくなってしまった。
「マユコはいい匂いがするな。なぁ、ジリアン。おまえ、感じないか?」
「感じる。マグノリアに似た香りだ」
モクレンのことだ。モクレンの花言葉は〈自然への愛〉だった。
「マグノリアは割と大きく育つ樹木だったな。マユコには、樹木の守護があるのかもしれん。カーラは気付かなかったようだが」
ゲオルグが呟いたが、まゆこはそれどころではなかった。
「え……。わたしは感じないんですけど。匂うの?」
ぎょっとしたまゆこは、自分の手や肩近くに鼻を寄せた。くんくんとする。
ゲオルグは笑いだす。ジリアンと違ってこの男はよく笑う。見せる笑いとでも言えばいいのか。大げさな感じもした。
笑うことで人の警戒を解くとするなら、なかなかの策士かもしれない。
もっとも、まゆこの警戒心は一向に薄れないばかりか、ますます後ろに下がりたくなってしまった。