不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
以前エルマがその箱を持ってくるときに、急いでいたのか、箱が傾いて宝石類がざらざらと落ちてしまいそうになった。
片手で箱を持ち、片手でぱぱぱと受け止めたのは見事だったが、握ったときに力を入れ過ぎたのか、ピンが曲がってしまったのだ。
そのとき以来、デイジーはエルマに宝石類を運ばせない。
これはデイジーの領分における判断なので、まゆこにはなにも言えなかった。
エルマがしょげた感じになったのを見たまゆこは、あとでお菓子を一緒に食べた。良い思い出になっている。
運ばれた青い宝石類を、あちらこちらに付けられる。相変わらず重い。
「マユコ様。出来上がりましてございます。どうぞ、お確かめください」
まゆこは、大きな姿見に映る自分を眺めて呟く。
「海の底にいる人みたいね。別人のよう――」
「自信をお持ちになられませ。今夜は、ジリアン様の瞳の色と対でございます」
片手で箱を持ち、片手でぱぱぱと受け止めたのは見事だったが、握ったときに力を入れ過ぎたのか、ピンが曲がってしまったのだ。
そのとき以来、デイジーはエルマに宝石類を運ばせない。
これはデイジーの領分における判断なので、まゆこにはなにも言えなかった。
エルマがしょげた感じになったのを見たまゆこは、あとでお菓子を一緒に食べた。良い思い出になっている。
運ばれた青い宝石類を、あちらこちらに付けられる。相変わらず重い。
「マユコ様。出来上がりましてございます。どうぞ、お確かめください」
まゆこは、大きな姿見に映る自分を眺めて呟く。
「海の底にいる人みたいね。別人のよう――」
「自信をお持ちになられませ。今夜は、ジリアン様の瞳の色と対でございます」