不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
「どうしたの?」

「いえ。ジリアン様に照れるなどといったことがあるなら、わたしも見てみたいと思いまして。あ……、すみません。恐れ多いことでした」

「わたし、ジリアンのことだって言ってないよね」

「そうでしたか? マユコ様はジリアン様のことをよくお話になられるので、そのつもりで聞いておりました。間違っていたら、すみません」

「……謝らないで。ジリアンのことだもの……」

 それほど彼のことを話しているのか。自覚のなかったまゆこは、頭の中がグルグルしてしまった。
< 148 / 360 >

この作品をシェア

pagetop