不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
魔法の力は遺伝する。だから、カーライルの主張もあながち間違ってはいない。
しかし、ジリアンには呪いの問題がある。カーライルがジリアンの〈ただ一人〉でなければ、彼は手を伸ばさないだろう。
ただ、以前まゆこがジリアンに言ったように、幼いころは伴侶として見られなくても、成長したら変わる場合があるのではないかということだ。
カーライルの言う通り、魔法力においても三家の関係においても、生まれ育ったウィズのことをよく知っているという面からも、まゆこよりカーライルの方がジリアンには相応しい。
なにより、まゆこはこの世界から離脱することを考えている。
ジリアンも彼女を元の世界へ戻すつもりだ。いずれ離れる。
きゅっと胸が痛んだ。けれど、後ろへ引くことはもうしない。顔を上げてカーライルをしっかりと見定めて言う。
「決めるのはジリアンです」
たじたじと一歩下がったのはカーライルの方だった。彼女は自分の動きに、はっとしたようになり、ぐっと前へ出てくる。
「あなたの気持ちはどうなの。どういうつもりで婚約者を名乗っているの? その立場に相応しいだけの覚悟があるようには見えないわよ、マユコ」
しかし、ジリアンには呪いの問題がある。カーライルがジリアンの〈ただ一人〉でなければ、彼は手を伸ばさないだろう。
ただ、以前まゆこがジリアンに言ったように、幼いころは伴侶として見られなくても、成長したら変わる場合があるのではないかということだ。
カーライルの言う通り、魔法力においても三家の関係においても、生まれ育ったウィズのことをよく知っているという面からも、まゆこよりカーライルの方がジリアンには相応しい。
なにより、まゆこはこの世界から離脱することを考えている。
ジリアンも彼女を元の世界へ戻すつもりだ。いずれ離れる。
きゅっと胸が痛んだ。けれど、後ろへ引くことはもうしない。顔を上げてカーライルをしっかりと見定めて言う。
「決めるのはジリアンです」
たじたじと一歩下がったのはカーライルの方だった。彼女は自分の動きに、はっとしたようになり、ぐっと前へ出てくる。
「あなたの気持ちはどうなの。どういうつもりで婚約者を名乗っているの? その立場に相応しいだけの覚悟があるようには見えないわよ、マユコ」