不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
後ろの方から太い声が掛かる。
「踊ってこいよ、ジリアン。フォンダン家の姫の誘いを断るのは、さすがにまずいだろう? 内乱を引き起こすのは俺も反対だぞ」
表だって敵対するのは愚の骨頂だ。それは誰もが知っている。まゆこもだ。
「広間にはすぐ戻るわ、ジリアン。行って」
ジリアンは柱の陰にちらりと目をやってから、カーラと共に広間へ向かった。
柱の陰へ視線を向けると、どうやらルースがいる。彼はジリアンが何らかの用でまゆこの傍を離れるときは必ず近くにいた。
ゲオルグもそちらを見た。
ルースは陰から出てきて、ゲオルグに向かって腰を屈める。
「ルースも難儀だな。だがまぁ、ジリアンの気持ちは分からんでもない。俺のように、下心満載でマユコに近づく奴もいるからな」
下心と口にしながらまゆこへ視線を移すゲオルグは、どうしてだか、彼女が断っても断ってもちょっかいを掛けてくる。
もてる男だ。見掛けもジリアンと張る好男子なのに、なぜまゆこに構うのか不思議で仕方がない。
「踊ってこいよ、ジリアン。フォンダン家の姫の誘いを断るのは、さすがにまずいだろう? 内乱を引き起こすのは俺も反対だぞ」
表だって敵対するのは愚の骨頂だ。それは誰もが知っている。まゆこもだ。
「広間にはすぐ戻るわ、ジリアン。行って」
ジリアンは柱の陰にちらりと目をやってから、カーラと共に広間へ向かった。
柱の陰へ視線を向けると、どうやらルースがいる。彼はジリアンが何らかの用でまゆこの傍を離れるときは必ず近くにいた。
ゲオルグもそちらを見た。
ルースは陰から出てきて、ゲオルグに向かって腰を屈める。
「ルースも難儀だな。だがまぁ、ジリアンの気持ちは分からんでもない。俺のように、下心満載でマユコに近づく奴もいるからな」
下心と口にしながらまゆこへ視線を移すゲオルグは、どうしてだか、彼女が断っても断ってもちょっかいを掛けてくる。
もてる男だ。見掛けもジリアンと張る好男子なのに、なぜまゆこに構うのか不思議で仕方がない。