不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
 外は広場になっていて、少し離れたところにバーンベルグ家の紋章のある馬車が待機していた。馬車の近くにいたテオが走ってくる。

 代わりにルースが馬車の方へ走り、まゆこのために扉を開ける。

 テオがまゆこの手を取った。彼女は振り返ってエルマが来ないかと立ち止まる。

 するといきなり足元に魔法陣が広がった。白く輝く煙のようなエネルギーの揺らぎが立ち上る。

「え? なに?」

 手を握っているのはテオだ。彼はすぅっと笑った。

 ルースが驚愕の表情になってこちらへ来ようとするが、半径三メートルほどの魔法陣の中には入れない。
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