不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
花の蕾が付いている。
ヒイラギは十一月ころに白い花を咲かせる。モクセイ科らしく、ほのかに甘い香りを放つ可憐な花だ。花言葉は、〈用心深さ〉や、古木になると葉が丸くなることから〈先見の明〉などがある。
後ろに一歩引いてしまいがちなまゆこの性格を、いまは亡き祖父は〈用心深い〉からだと言ってくれた。
『用心深いのは悪いことじゃないぞ。ヒイラギが葉に棘を散らすのも、敵を寄せ付けないようにするためだ。強さを隠し持てば、魔を祓えるようにもなる』
ただの木とはいえ、ヒイラギにぐっと気持ちが傾くのは祖父の影響も大きい。
エルマもまゆこの近くで足を止め、周囲を見回しながら言う。
「この木の名をご存知なのですね。ヒイラギは魔除けになりますから、高位の貴族の屋敷には当然のようにありますし、庭がある家には大抵植えてあります」
「魔除け……。悪鬼を祓うというのはないの?」
「祓うところまでは至りません。木々や草花が、自らの意志で魔法陣を組むことはないので。魔物はヒイラギを嫌いますから、人はそれを利用しているだけです」
ヒイラギは十一月ころに白い花を咲かせる。モクセイ科らしく、ほのかに甘い香りを放つ可憐な花だ。花言葉は、〈用心深さ〉や、古木になると葉が丸くなることから〈先見の明〉などがある。
後ろに一歩引いてしまいがちなまゆこの性格を、いまは亡き祖父は〈用心深い〉からだと言ってくれた。
『用心深いのは悪いことじゃないぞ。ヒイラギが葉に棘を散らすのも、敵を寄せ付けないようにするためだ。強さを隠し持てば、魔を祓えるようにもなる』
ただの木とはいえ、ヒイラギにぐっと気持ちが傾くのは祖父の影響も大きい。
エルマもまゆこの近くで足を止め、周囲を見回しながら言う。
「この木の名をご存知なのですね。ヒイラギは魔除けになりますから、高位の貴族の屋敷には当然のようにありますし、庭がある家には大抵植えてあります」
「魔除け……。悪鬼を祓うというのはないの?」
「祓うところまでは至りません。木々や草花が、自らの意志で魔法陣を組むことはないので。魔物はヒイラギを嫌いますから、人はそれを利用しているだけです」