秘書課恋愛白書

嘘でしょ?なんでこんなところにいるの?

こんな形で会ってしまうなんて。


状況を飲み込めない私は酔いもだんだん覚めていく。

木内 優(ユウ)は私が高校から大学までの学生時代に付き合っていた人。

長くて遊んでいた髪の毛も短く切って、体格も前より良くなった気がする。

顔つきも大人になっていた。


「久しぶり…だな」

「そうだね…5年ぶり、かな」


私を見つめるユウの方を見ることができずにただただカウンターのテーブルに視線を落とす。

今更こんな形で会って、何を話せばいいの?


「そんなに経つか…でも、俺はすぐに綾女だってわかった」

「そう…」


私だってすぐにユウだってわかった。

髪型が変わったって、春なのに少し日焼けをしてたって、前よりも体格が良くなったって、顔つきが変わったって、気づいたと思う。

お酒も進まずただジッと前だけを見つめる私とは打って変わって大将にウーロン茶を注文するユウ。

え、飲まないの?と横目でちらりとユウの方を見ると、ついに目が合ってしまった。
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