秘書課恋愛白書

ザワザワと騒がしい居酒屋で異様な雰囲気を醸し出す私たちは誰から見ても修羅場であろう。

だが止めどなく流れる涙はあの頃の全てを吐き出すように落ちていく。

ポタリポタリとカウンターのテーブルを濡らす。


「綾女泣かないで」

「誰のせいでこんなっ……」


涙を拭いながらキッと睨みつけたらユウは少し口元を緩めた。

は?なんで笑うの?


「俺のせいだよ。でも、その顔…久しぶりに見た」


こんな時に笑うなんて不謹慎だよな、と言いながらも嬉しそうに口元に笑みを浮かべる姿にだんだんとどうでもよくなっていく自分がいた。

泣いたことで今まで思っていた苦しかった思い出も全てがすっ…と胸の中を軽くするようなユウの笑った姿。

ああ…、私この笑った顔が大好きだったんだな。


「何度も言うけど、俺のことは許さなくていい。許してもらおうなんて気もないから」

「当たり前よ。一生許さない」

「そうやって綾女の中に俺が少しでも残ることに俺は嬉しいと思ってる奴だから」

「…は?馬鹿なの?」


さっきから何を言ってるの?
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