秘書課恋愛白書
会いたかっただの、嬉しいだの。
私が感じてるものは正反対のことばかり口にしてくるユウがわからない。
は?と顔を歪めて私はお酒を飲むペースを徐々に上げていく。
「本音。若かった俺は相当馬鹿だった。綾女以上に良い女に出会うこともきっとこの先ない」
「後悔したって遅いわバーカ」
「本当にな。あの一瞬が俺を狂わせて、綾女との未来をダメにしたんだよな…自業自得だ」
乾いた笑いを浮かべて皮肉を言うユウ。
「なんで…あんなことしたの?」
「正直、就活で忙しくしてる綾女を見て構ってもらえないのにイライラしてた。あの時だけで、一回だけって魔が差してバレないと思った」
「最低な解答をどうもありがとう」
「俺、本当にサイテー。あの時の自分をぶん殴りたい」
わかってるんじゃない、そのまま一生反省しててほしいくらいだわ。
殴りたいのはこっちです。
「大学も就活までの間に単位も取り終えてたから会うことも出来なくて。何度か綾女の家にも行ったけど人の気配がないっていうか…」
「就活が終わってすぐに母が亡くなったの」
「え……?」
知らなかった、という顔をして見せるユウは本当に誰からも何も聞かされていないようだった。