秘書課恋愛白書

急いで財布からお札を数枚出して、カウンターに叩きつけるようにして置いた。

ご馳走さま、と言い残しカバンとコートとジャケットを取って出入口へと急いだ。




「待って、待てよ綾女!!」

「お願いだからもうついてこないで!」


外に出てもなお追いかけてくるユウにイライラが止まらない。

いつもの冷静さはどこに行ってしまったのか。

感情剥き出しで声を上げる私に周りの視線が突き刺さる。

お願いだからもう忘れさせてよ。

あなたの事は許すからついてこないで。


「綾女!!!」


ぐっと腕を掴まれてフラついた脚はそのまま後ろへ倒れこむようにユウに抱きとめられる。

じんわり…とまた涙が溢れそうになって堪えた。

暴れる私を抱きしめて離さない腕。

ドクンドクンとユウの心臓の音が耳から全身へと伝わる。


「離して…」

「離したらまたいなくなるだろ」

「もう関係ないじゃないっ……ふっ」


我慢していた涙が頬を伝っていく。

ユウのスーツを私の涙が汚す。
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