秘書課恋愛白書
好きと言ってくれる人からのキスをこんな容易く受け入れる自分はどうしようもなくて。
その気持ちが嬉しいと感じるのも事実であって。
好きになってはいけない相手のはずなのに。
この人はただの上司なのに。
私には仕事しかなくて、仕事が生き甲斐なのに。
その仕事が出来なくなりそうなことを今まさに始めようとしている。
私を好きという社長の変わりようにも驚かされた。
私のために誰構わず抱くのも辞めたという。
私のために真面目に仕事をするようになったという。
ここ数週間の社長の行動を見ているからこそ、本当のことだと理解もできるし意外とそういう誠実な側面を持っていることにも気が付かされた。
本当に私のために、私が嫌だということをしなくなった。
だからこそ、ちょっとずつ傾いてきた自分のこと心が怖いと感じる。
この人は…本気なのかもしれない。
好きになってもいいのかな、なんて思い始めていた。
「何考えてるの?」
「な、なにも…」
いつの間にか自分の中で考えを巡らせていたようで社長の声で我に帰った。