秘書課恋愛白書
まさかあの社長が中原さんをねー…と神妙な顔をして頷いている。
「で、もちろんOKしたんだよね?」
「それがー…まだちゃんと返事をしてなくて」
「ぇえ?!何が不満なの?!あー…でもあの性格だしちょっと難アリは嫌かぁ」
「そ、そうじゃないんです!」
私は一つずつここ最近の経緯を説明した。
社長に告白されるまでにあったこと。
私と関わっていくうちに変わったこと。
返事が出来ていない状況についてまで。
私の話に百面相する飯島さんは面白かったが、話を聞き終わる頃にはニヤニヤと笑みを隠しきれないようだった。
「すごいよ中原さん!あなたが社長を変えたのね。いつ返事するの?」
「どのタイミングで返事をしていいか、私も見計らっているところなんです」
そう、結局のところ言いたいのに言えない状態でモヤモヤがおさまらないのだ。
「社長と二人きりになれる機会なんていつでもあるじゃない?むしろこの後忙しくなさそうなら言っちゃったら?」
「この後…ですか」
「だって、中原さんの中でもう答えは決まっているでしょ?なら早く言ってくっついちゃえばいいのよ」