秘書課恋愛白書
でしょ?と頬杖をついてニコニコする飯島さん。
たしかに…このモヤモヤを早く解消してしまいたい。
社長に自分の気持ちを伝えたい。
「善は急げ、ってね。そうと決まったら私とランチなんてしてないで早く戻ったら?」
「ありがとうございます…」
背中を押してくれる人が近くにいてくれて良かったと思った。
お会計を済ませて会社へと戻っている途中、そういえば…と飯島さんが話を切り出した。
「さっき会社を出る前にKANDACorporationの社長がウチに入っていくの見えたんだけど…今日なんかあるの?」
「そんなお約束は今日のスケジュールになかったような…」
「そうなんだ?じゃあ私用かもね。あそこも名家だし社長と仲良いんだろうなぁ」
飯島さんの言葉にへぇー…と頷くことしか出来なかった。
秘書として約束を把握してないってことは飯島さんの言うようにやっぱり私用なのかもしれない。
社長室に戻ったら聞いてみよう。
飯島さんに手を振り別れて、私は一人エレベーターに乗り込むのだった。