秘書課恋愛白書

もっともその理由としては秘書課にいながら社長付きにはなれず、ぽっと出のしかも外部から出向してきた女がいきなり社長の秘書になってしまったからそりゃもう大批判。


女子グループ特有のねちっこいイジメが始まったのも初日からだった。

だからこの秘書課に戻ってくるのも正直気がひけるところがある。



「ちょっと仕事が出来るからって調子に乗らないで」

「あんたなんか社長に見向きもされないんだから」

「あーあ、早く辞めてくれないかしら」


すれ違いざまに3人がボソッと呟いた。


辞めれるもんなら辞めたいのはこっちの方です。

でも脅しをかけられてる身としてはそんなことしたらMキャリアもとい三谷室長のご実家の会社が潰されてしまう危険と、見つからない仕事探しで路頭に迷う可能性があるので絶対自分から辞めることはできない。



「気にしなくていいから」

「……はい」


三谷室長がそう言ってくれて私は小さく頷いた。


私は私の仕事をしているだけ。

どれだけここで働くかはわからないけど、こんなの気にしてたら負けだ。


気持ちを切り替えてお昼へと向かうのだった。
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