秘書課恋愛白書

簡単にお昼を済ませて更衣室へと戻り、メイクルームへと向かう。

鏡に映った顔はとても疲れていて、それもこれもあの社長が全ての原因に間違いない。

パパッとメイクを直して社長室へと戻る準備をする。


あと数時間頑張れば休み。

あと数時間で休み。我慢よ…私。


鏡に向かってシアワセの呪文を唱える。

するとスカートのポケットに入れていたスマホがブルッと震えて着信を告げる。

嬉しいことに高校、大学時代を一緒に過ごした親友からの連絡で今日の夜会えないかというお誘い。

仕事終わりに予定を入れさらにやる気十分になったところで社長室へと向かうのであった。



「ただいま戻りました」

「………おかえり」


予想はしてたけど、さっきの電話を受けてから社長はご機嫌ななめのご様子。

デスクで頬杖をつきながら片手でノートパソコンをカタカタと動かしている。


さて、どうやって仕事させようか…


そんな風に考えていると社長は私を手招きした。

疑問符を浮かべながら側に駆け寄る。
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