一匹狼くん、拾いました。
「やっぱこうなるのか……」
他人事のようにいい、俺は下っ端を次々と倒していく。
「はーい、そろそろ終わり」
緋也は下っ端から鉄パイプを奪い取り、俺の怪我した足を殴った。
俺はバランスを崩して、屋上の床に倒れた。
「本当に、怪我してるととことん弱いね」
床に這いつくばった俺の足を蹴り、緋也は笑った。
「痛っ……黙れ」
「ねえ銀狼、性的暴行受けたことはある?」
緋也はフードを掴み上げ、無理矢理俺の顔を覗き込んで聞いてきた。
「…………」
「沈黙はないって受け取るけど、いいかな?」
さぞかし楽しそうに緋也は言い放つ。
「それじゃあ、今から受けてくれない?」
緋也がそう言った直後、屋上の隅で喧嘩に参加せずに携帯をいじっていた二人の下っ端が、俺の元へ近づいてきた。