一匹狼くん、拾いました。




「そうか……。変わってしまったんだね銀狼。


この前までの君は誰も寄せ付けないオーラを放っていて、レディース会でも喧嘩が強くてその上一匹狼だなんてクールで最高だって人気者だったのに、今の君は、……随分ダサく見えるよ。


これじゃあ、ただの喧嘩好きの男の子じゃないか」




緋也は俺の片手を掴み、そっと傷口に触れ、怪しく微笑んだ。






「……だから何だってんだよ」




「僕は君に失望したよ。そんなに血流に入る気がないってんなら、君はもう用無し。……悪いけど、ここで壊れてくれない?」





壊れる……?




「……ヤッチャッテイイヨ、みんな」





俺と緋也の周りを囲んでいた血流の下っ端の奴らは、鉄パイプをもって、一斉に俺に襲いかかってきた。







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