一匹狼くん、拾いました。
「うんそうだね。
ただ、今のは血流の中でも弱い奴らだから。
そろそろ、本気モードと行こうか」
直後、俺のフードに勢いよく水がかかった。
「はっくし!!寒っ!!」
俺は思わずくしゃみをして上を見上げた。
「よう銀狼」
恐らく血流の奴であろう男が、マンションの3階あたりから窓を開けて、バケツで俺に水をかけてきたのだ。
「嘉(ヨイ)ナイスー、後は僕に任せていーよ」
緋也はそう悪魔のように笑いながら言った。
緋也と話してることから察するに、男は血流の幹部か……。
「……っ、さみぃ」
おい、今春の4月だぞ。
……冷たいんだよ。
「クク、ど?少しは弱った?」
緋也は俺の腕を引っ張り、耳元で怪しく微笑んだ。