一匹狼くん、拾いました。
骨折が治った10月、俺は病院の屋上に行き、柵を飛び越えて死のうとした。
「ミカ!死ぬな!!お前まで死んだら、俺はどうすればいいんだ!!」
しかし、柵を飛び越えた俺の身体を岳斗が同じように柵をとびこえてきて、横から掴んだ。
「んなこたぁどうでもいい!!あいつがいなきゃ、ちっとも人生なんか楽しくないんだよ!!」
俺はそう言い、岳斗の身体を無理矢理振り払った。
その直後、ズルッ!なんて音がして岳斗が振り払われた衝撃で、病院の屋上から落ちた。
「岳斗っ!!!」
あらん限りの声を上げて、俺は腕を伸ばした。
しかし、残酷にも俺の腕が岳斗の身体に触れるなんて奇跡は起きはしなかった………。
俺はそうして恋人どころか、親友すらも自分の手にかけた。
虐待という非日常に巻き込んで、殺めた……。
俺は、人殺しだ……。