一匹狼くん、拾いました。
「ミカ、隣こい」
仁は整理タンスから救急箱を取り出すと、ソファに座って、俺を手招きした。
俺は渋々、仁の隣に行った。
仁は救急箱を自分の隣に置くと、その中からコットンと消毒の瓶を取り出して、コットンに消毒をかけた。
「ミカ、あぐらかいてズボンめくって」
「……ん」
俺が言われた通りにすると、仁は俺の傷だらけの足に容赦なくコットンをあてがった。
「いった!!」
染みるし………。
仁はコットンをソファの横にあったゴミ箱に捨てると、救急箱から包帯を取り出して、俺の足に巻いた。
「………ありがと。腹は自分でやるからいい」
ズボンを元に戻し、俺は仁から顔を逸らして礼を言った。
「……そうか? じゃあ、俺飯作ってくるな」
仁は俺が頷いたのを確認してから、部屋を出ていった。