一匹狼くん、拾いました。
「ねぇな。
……俺にはそいつらみたいに易易と殺される気も、あんたの父親の虐待を黙って見てるつもりもねぇ。
俺達華龍は、あんたを逃げ延びさせる。
全員生存してな!!!」
仁は俺の顔を触った。
その手には俺の瞳から零れた涙がついていて、俺は思わず目を見開いた。
「あのなぁー、そういうことはもっと早く相談しろよ!!!」
結賀が屋上の扉を開けて、中に入ってくる。
………まさか、聞いていたのだろうか。
残りの幹部2人と姫揃って、ちゃっかり盗み聞き……。
完全に、嵌められた。
「……ミカ、俺達と友達になってくれないか?」