嘘つきピエロは息をしていない
「です……よねぇ」
速やかに立ち去ろうとした、そのとき。
「わるいけど、こっちが先約だから」
ギュッと私の手を握り歩き始めたナイキくんに早足でついていく。
「お前なぁ。助ける気あるなら最後まで助けろよ」
「ご、ごめん」
「いや。助かった」
「あ。えっと。手……」
「ああ、わりぃ」
繋いだ手が離される。
「…………」
「…………」
なんの相談もしていないのに、自然とあの場所に来ていた。
「また裏庭に吉川と来ちまったな」
「げ、元気にしてた!?」
「は? ンな久しぶりでもねぇだろ」
一週間以上話してないことが長く感じるの、私だけなのかなぁ。
「模試どうだった?」
「余裕」
「さすがナイキくん」
「なあ。西条が演劇部に入るってマジ?」
「うん! できる範囲で頑張りたいって言ってくれてるよ」
「へえ。あの西条が」
ナイキくんがベンチに腰掛けたので、私も隣に座る。