嘘つきピエロは息をしていない

 言葉が胸に突き刺さる。

 これ以上踏み込めばもっと突き放されるかもしれない。

 冷たい口調で怒っているように見える。

 けれど、きっと、違う。

 拒絶されているわけではない。

 これは――

「……知りたいよ」

 壊すべき壁なんじゃないかな。

「ナイキくんが我慢してること全部ぶつけて欲しいよ」

 受け止めたい。

 受け止めさせて。

「こんな話はもうやめだ」
「やめない!」
「聞いてどうする」
「一緒に抱える」
「なんでお前が」
「だって」
「だって?」
「変えたいから」
「なにを」
「未来を」
「バカか。お前に、なにが変えられる」

 ――そうだ

 ワタシになにが変えられるんだ。

 ワタシは……

「本当に諦め悪いなお前」

 ワタシは自分の心さえ騙して生きてきたのに。
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