嘘つきピエロは息をしていない
「やだなぁ。無理なんてしないよ? 怒りたいときは怒るし。ほら、最初に出逢ったとき演劇部のことバカにされてムッとしたことあったよね。今だから言えるんだけどさぁ。あのとき、もう絶対にこの人と話すこともないし大嫌いだって思ったの」
知ってる?
ナイキくんとしか喧嘩したことないんだよ、私。
「あれは部活のことを貶されたから怒ったわけじゃなかったんだな」
「……え?」
「お前の人生そのものを否定された気がした。だから我慢できなかった。違うか?」
「なに、言ってるの」
「たまげたよ。まさか。そっちの吉川が、作り物だったなんてなぁ」
「意味……わかんないよ」
蒸し暑いくらいの部屋のはずが、いやに寒く感じる。
ドクンドクンと揺れる心臓は悪い胸騒ぎがするときのそれに似ている。
「どうすれば、本当のお前を呼び戻せる?」
「ちょっと……ヘンなこと言わないで。また私をからかって楽しんでるの?」
ナイキくんが私に一歩、また一歩と歩み寄ってくるのを見て。
逃げ出したくて仕方がない。
「Liar Pierrot|」
知ってる?
ナイキくんとしか喧嘩したことないんだよ、私。
「あれは部活のことを貶されたから怒ったわけじゃなかったんだな」
「……え?」
「お前の人生そのものを否定された気がした。だから我慢できなかった。違うか?」
「なに、言ってるの」
「たまげたよ。まさか。そっちの吉川が、作り物だったなんてなぁ」
「意味……わかんないよ」
蒸し暑いくらいの部屋のはずが、いやに寒く感じる。
ドクンドクンと揺れる心臓は悪い胸騒ぎがするときのそれに似ている。
「どうすれば、本当のお前を呼び戻せる?」
「ちょっと……ヘンなこと言わないで。また私をからかって楽しんでるの?」
ナイキくんが私に一歩、また一歩と歩み寄ってくるのを見て。
逃げ出したくて仕方がない。
「Liar Pierrot|」