嘘つきピエロは息をしていない

「ええ、もちろん!……はいぃ!?」

 今、なんて言いましたか。

 まさかピンチヒッターを頼むなんて言いませんよね?

「今日から、うちの幽霊部員として君を歓迎する」
「ありがとうございます」

 ――ユウレイブイン?

「部長。本気ですか?」
「吉川がこのところ新入部員確保で時間も体力も消耗してることに、私が気づいていないとでも思ったか?」

 ……!

「個々への呼びかけ――それから、掲示物の中に一際目立つ勧誘ポスターを見かけた。あれも吉川が作って貼ってくれたんだろう?」
「……はい」

 部長は受験勉強もあるし、そういうことは一年の私がやっていかなきゃと思って。

 許可をとって貼らせてもらった。

「猫の手も借りたい現状、この男は間違いなく役立つ。いや、うまく使ってみせるさ」

 部長にそう言い切られてしまうと、頷くしかない。

「吉川」
「はい」
「斉、呼び戻してきて」
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