嘘つきピエロは息をしていない

「……邪道とかなんとか言って、俺が幽霊部員になること反対してたクセに」
「あっ、あのときは、こんなに演劇部のこと考えてくれるなんて思ってなかったから。ごめんね?」

 ――演劇部の為じゃねぇよ

「二人に声かけるのが良いって判断できたのほんとに凄いよ、ナイキくん。さすがプレーンだね!」

 プレーンじゃなくてブレインな。

 脳みその方な。

 俺いつからアッサリしたんだよアホ。

「上手くいくかどうかなんて知るわけないだろ」
「へ? 入部してくれそうな二人を推薦してくれたんじゃないの?」

 気づけばとっくにA組前の廊下まで来ていた。

 この時間帯はまだ生徒は少ないが、いずれウゼぇやつらに見つかる。

 なのに話が切り上げられねぇ。

 なぁ吉川、お前永遠に俺と話している気か?

 ……まぁ、もう少しだけなら付き合ってやってもいいか。
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