BLUE GIRL
「兄貴の夢は俳優になることで、5歳年上の兄の背中を見てきた俺も自然と俳優になることを目指した。いつか兄弟で共演できるその日まで、お互いに精一杯生きようと約束して」
突然始まった話に上手く反応できない。
「だからさ、Ryoの"永遠に"を聴いて無性に泣きたくなった。永遠の愛とはまだ違うけど、約束したから」
いくつもの約束を
何年後も何十年後も
僕らは守り続けていくだろう
永遠に
恋人にも、友人にも、家族にも当てはまるフレーズだ。
「Ryoが海のために書いた曲なの……」
「そうなんだ。兄にも聞かせてやりたかったな」
「……」
過去形。
お兄さんを語るユウも、
海のことを語る私も、
過去の彼らのことしか話せないのだ。
「兄を亡くしてから両親とは溝を感じるようになり、俳優で居続ける意味も見失ってた。だけど【BLUE GIRL】を読んで、オーディションに参加した。大切な人の死と向き合う作品に出るなんてありえないと思ったけど、気付いた時にはオーディション会場にいたよ。不思議な縁だよな」
「…そうだね」
気の利いたことを何も言えていない。
「俺も同じだ。兄の死を未だに受け止められていないよ」
「……」
下を向く。
私はユウに言葉をかけることができなかった。
天ぷら定食が運ばれてきて、「よし、暗い話は終わりにしよう」とユウが言ってくれたことに、心からホッとしたんだ。
情けない…。