♥バレンタインの奇跡♥
「これ」

「ん?」

お母が差し出してきたのは一枚のチラシ。
何々?バレンタインの売り場販売…短期バイト?


「とりあえず、これでもやったら?」

「やだねっ!」

思わず即答。
お母にチラシを投げるように返す。

だって、バレンタイン売り場だよ?
何が悲しくて失恋して間もない私がバレンタイン売り場の仕事しなきゃいけないわけ!?


「やりなって」

「イヤだね!絶対やらない!」

「うるさい!やれ!」

「何その命令口調!絶っっ対やらん!」

「このバカ娘が!」

「バカで結構コケコッコー!」

そんな意味のわからない言い合いの末、お母はチラシを私に投げつけると部屋を出て行った。
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