王子は冒険者になる!
*
「騎士タイラー。
これを。」
「ジゼディシアロー様。なんっすか、これ。」
「・・・魔力の回復の薬だ。」
「っげぇ・・・あれっすよね?
薬草の賢者 ウルーチェ様の特別なヤツっすよね?」
そうそう。苦すぎる。で 評判の。
「ははは。今度の王子の『お忍び』は城下町周辺だろ?
時間がギリギリだと お前、魔力がもたねーぞ?」
「・・・ジゼディアロー様。」
ばれたー!!って顔を騎士タイラーはした。
それに思わず、笑っちまう。
てか、こいつ、マジでよく第二王子付の警護騎士に慣れたな?表情に出過ぎ。
「あぁ、ちなみに騎士ビラットにはもう バラした。
城下町を自由に動き回られたらさすがに カバーしきれないからな。
騎士ビラットの無駄に強情な「守りの術」があれば大丈夫だろ。」
「げぇっ!!ば、ばらしたんっすかー?!オレ、ガチで怒られるじゃないっすか。」
「大丈夫、大丈夫。
今、王子の所に走って行って すげぇ王子を攻めているはずだから。
そのあと 怒られなって。」
ひ、ヒドイっす!!といって騎士タイラーは
すぐさま、王子のもとへと駆けて行った。
ははは。なんだかんだ言って、騎士ビラットは
王子に甘いから大丈夫だろ。
そのまま、サポートしてもらって、裏にオレがいることは
隠しておかないとな。
オレの立ち位置は、いまいち王子と仲の悪い「側近」だ。
そうすることによって、王子を落とそうとするやつが
浅はかにもオレに 近づいてきたりするからな。
*
侍女の二人は 完全に フランチェスコ王子の虜だよなぁ。
リィアは、旦那に先に絶たれてから 王子についていて
愛着というか、愛情というかそーゆーのがあるんだろうな。そもそもリィアは
モンレ公爵家にお世話になってるしな。
セーラはまだ若いけど、子爵家のお嬢さんだ。
単純に フランチェスコ王子の人柄と センパイのリィアの影響で
王子を慕っているんだろう。
問題は、二人とも、王子を大切にしすぎることだな。
というか、リィアに至っては『公太子にふさわしいのは、次代の王はフランチェスコ様です!』って言いきってたしなぁ。というか、結構 結構危険な発言だから少し控えてもらわねばな。
まるで、王子にその気があるように 噂されても困るしな。
余計なオレの仕事も増える。
フランチェスコ王子は・・・その気はないだろうな。
兄であるアレッサンド王子を慕っているし、
それとなく、聞いた時も「王にふさわしいのは、兄様だろ?」と あはは と笑って仰ってた。
屈託のない笑顔、のあと
わざとらしく「王子様スマイル」を浮かべた。
・・・っ。てめぇ、その笑顔、
オレの嫌がらせのために、って 知ってるぞ。今度お茶に 唐辛子入れてやる。
もちろん、そんなことしたら
リィアとセーラに すんげーー怒られそうだからしないけどな。
ま、オレも 女性には弱いってわけだよ。うん。うん。
「騎士タイラー。
これを。」
「ジゼディシアロー様。なんっすか、これ。」
「・・・魔力の回復の薬だ。」
「っげぇ・・・あれっすよね?
薬草の賢者 ウルーチェ様の特別なヤツっすよね?」
そうそう。苦すぎる。で 評判の。
「ははは。今度の王子の『お忍び』は城下町周辺だろ?
時間がギリギリだと お前、魔力がもたねーぞ?」
「・・・ジゼディアロー様。」
ばれたー!!って顔を騎士タイラーはした。
それに思わず、笑っちまう。
てか、こいつ、マジでよく第二王子付の警護騎士に慣れたな?表情に出過ぎ。
「あぁ、ちなみに騎士ビラットにはもう バラした。
城下町を自由に動き回られたらさすがに カバーしきれないからな。
騎士ビラットの無駄に強情な「守りの術」があれば大丈夫だろ。」
「げぇっ!!ば、ばらしたんっすかー?!オレ、ガチで怒られるじゃないっすか。」
「大丈夫、大丈夫。
今、王子の所に走って行って すげぇ王子を攻めているはずだから。
そのあと 怒られなって。」
ひ、ヒドイっす!!といって騎士タイラーは
すぐさま、王子のもとへと駆けて行った。
ははは。なんだかんだ言って、騎士ビラットは
王子に甘いから大丈夫だろ。
そのまま、サポートしてもらって、裏にオレがいることは
隠しておかないとな。
オレの立ち位置は、いまいち王子と仲の悪い「側近」だ。
そうすることによって、王子を落とそうとするやつが
浅はかにもオレに 近づいてきたりするからな。
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侍女の二人は 完全に フランチェスコ王子の虜だよなぁ。
リィアは、旦那に先に絶たれてから 王子についていて
愛着というか、愛情というかそーゆーのがあるんだろうな。そもそもリィアは
モンレ公爵家にお世話になってるしな。
セーラはまだ若いけど、子爵家のお嬢さんだ。
単純に フランチェスコ王子の人柄と センパイのリィアの影響で
王子を慕っているんだろう。
問題は、二人とも、王子を大切にしすぎることだな。
というか、リィアに至っては『公太子にふさわしいのは、次代の王はフランチェスコ様です!』って言いきってたしなぁ。というか、結構 結構危険な発言だから少し控えてもらわねばな。
まるで、王子にその気があるように 噂されても困るしな。
余計なオレの仕事も増える。
フランチェスコ王子は・・・その気はないだろうな。
兄であるアレッサンド王子を慕っているし、
それとなく、聞いた時も「王にふさわしいのは、兄様だろ?」と あはは と笑って仰ってた。
屈託のない笑顔、のあと
わざとらしく「王子様スマイル」を浮かべた。
・・・っ。てめぇ、その笑顔、
オレの嫌がらせのために、って 知ってるぞ。今度お茶に 唐辛子入れてやる。
もちろん、そんなことしたら
リィアとセーラに すんげーー怒られそうだからしないけどな。
ま、オレも 女性には弱いってわけだよ。うん。うん。