王子は冒険者になる!
まーでも、
兄弟は仲良しがいいよな。
嫌われていはいないと思うけど、
どう思ってるかは解らんけど とりあえず俺は兄様を嫌ってはいない。
貴族たちがどの王子の派閥に入ろうが
今の、現王である父が
どちらが次の跡継ぎか、という明言を避けているし。
まぁ、民からしたらどっちでもいいよな。
より暮らしのよくなるほうが良いだけだよな。
「兄様!
兄様は、なにか苦手なものは ないんですか?」
兄の後ろに控えている側近がじろりと 睨む。
おいおい、
仮にも王子だぞ、俺。
にらむなよー。まったく。
あ、そうか、「王家」じゃない、
兄に忠誠を誓ってるんだろうな、この青頭。
兄を守ってるのか、えらいな~。
単純に納得する。
このアホの俺「第二王子」が
だれかにそそのかされて兄を害するかわからないしなぁ。
やらないけど。
兄であるアレッサンドは軽く 笑った。
「いや、苦手なモノ?そうだなぁ・・・ないよ?」
「そうですか~。」
「でも、フランは今日は本当に お利口さんだな。
算数の勉強もきちんとやったんだろ?」
あぁ、連絡済みですか。
あの先生、アレッサンド様が貴方のころにはこんな問題さっさと 解いてました!なんて言うのが口癖だからな。どんだけアレク兄様好きなんだよ。まったく、少年趣味かよ。
あんな『呪い』のような言葉をずっと聞かされてたら 余計できないって。
ってか、あんなのを聞かされて兄のことが嫌いになったらどうするんだよ。
あ、それが狙いか?
あー、やっぱり、面倒だなぁ。こういうの。
「まぁーねっ。勉強頑張ったよ。」
えへへ。とわざとらしく、調子に乗ってみる。
今度は俺の後ろで控えて給仕をしてくれていたリィアが
軽くつついて、「言葉づかい。」と注意をする。
はいはい。
しっかりとマナーをね。
あぁ、面倒。
「き、きちんと授業を受けましたよ。兄様。」
丁寧に言い直す。
兄は、俺とは対照的な真っ黒な髪をさらりと揺らして
楽しそうに笑った。
どちらを 王にするって うるさいのは
貴族連中や周りだけで、
肝心の 王である父は二人の息子をどちらも愛している。
俺は普通に『家族』として 愛情を受けている。と思う。
まぁ、
内心どう思ってるかは知らないけどな。
とりあえず『現状把握』だな。