王子は冒険者になる!
*
もう寝る!と言って
早めに就寝をする。
「では、フランチェスコ様。また明日。」
ぱたん。と扉が閉まる。
部屋の隅のほうでぽやんと ぼんやりとした丸い
光の球の間接照明だ。
うん。
これも魔法だ。
さてと。
俺は、すっと立って
扉の前まで来て聞き耳を立てる。
俺の部屋に入るには前部屋があって、そこに大抵警備のモノが控えている。
ぼそぼそ、と話し声がして、
小さく扉が閉まる音がした。
引き継ぎをしたんだろう。
たぶん扉の前に 一人か二人立っているだろう。
ご苦労様、だよなぁ。
こんなガキな俺のために・・・って一応王子だから仕方ないのか。
ふむ。抜け出したけど、
やっぱり扉からじゃぁダメだよな。
ちらっと窓を見る。
飛び降りるのは・・・だめだろうなぁ。
ここ、結構高いし。
うすーくレースのカーテンが張られた窓を見つめる。
窓のカギに手をかけると ピリッと 静電気みたいになった。
「・・・・魔法・・?」
バタン!!「王子!!」
「な?なんだ?!」
勢いよく開けられた扉にびくぅっと驚く。
普段 警備に立つ赤っぽい髪の男、騎士ビラットだ。
「ご無事ですか!」
「な、なにが?」
あぁ、もしかして窓辺に立つのがダメだったのか?
カギに触れて窓を開けようとしたからーー?
あぁ、そうだったな。
結界には 不用意に触れない。
「ほ・・。よかったです。
窓の結界が反応したので、不審者かと・・・」
「あぁ、すまな・・・
ごめんね?僕が触っちゃったから。」
やっぱり、魔法かぁ。ピリッとしたんだよな。
「いえ、就寝前に失礼いたしました。」
「いやいや。」
びしっと 胸に手を当てて一礼した彼は すっと 扉を閉めた。
ってか、
窓には魔法って・・・
出れないじゃん。