あなたと私と嘘と愛
「もう、いるんなら早く出てよ。心配するでしょ!?」
ぷりぷり怒りながら入ってきた人物。それは元うちの家政婦をしてたうーちゃんだった。しかも珍しく凄い剣幕で私を見るやいなや詰めよってきて頬を膨らませている。
「昨日から何度も電話してるのに繋がらないし!悠里さんが倒れたって聞いてずっと心配してたのよ!?」
それを聞いた瞬間肩の力が抜けた。
怒られてるのに良かった…と安堵の表情を向けてしまった。
「ちょっとあーちゃん聞いてるの?」
「あ、聞いてる聞いてます!うーちゃんごめんね、昨日はバタバタしてて携帯を見る暇がなくて。気付いたら充電が無くなってて…」
「もうっ」
実際にはサイレンとにしてたんだけど、それからずっと放置していたらいつの間にか本当に充電がなくなっていた。
朝見たらそんな状態だったため、電源はあえて入れることはせず充電だけしてるのだ。
「でもうーちゃんでよかった…」
「え?」
「あ…いや、私も昨日の夜母が倒れたって聞いて病院に行ったけど、全然元気そうだったからそんなに心配しなくていいと思う。ね?」
隣にいた優斗に同意を求めた。
さっきから私達のやり取りを見ていてたため、何となく無視はできない。
それに母の再婚相手だということもこの機会に紹介する必要はある。