あなたと私と嘘と愛
「そう言えばまだ会ったことなかったよね?母の再婚相手の上条さん、です」
「え、ああ、貴方が…」
うーちゃんの視線が私から反れる。
「どうも初めまして。悠里さんからだいたいお話は聞いてますよ」
お互い口頭だけで聞いていたのだろう。
実際に会うのは初めてらしく、社交辞令的な挨拶を交わす。
うーちゃんはすぐに花の咲いたような笑みを見せた。
「あーちゃんから色々と聞いてますよ。強情な天敵現るって」
「そうですか。まぁ、色んな意味で歓迎はされてないのは知ってますけどね」
「ちょっ…」
そんな会話にアワアワと止めにはいるけど、2人は初対面にも関わらず何だが会話のテンポが合うように見える。
気が合うんだろうか?
そしてホッと息をつく。
優斗が気を利かせ自分の部屋に入ると私もまたうーちゃんを自分の部屋に招き入れた。
部屋の扉を閉めた瞬間何故か腕を掴まれ、甲高い声が…
「いいじゃない!」
「は?」
「いい男じゃない優斗くん。あんなイケメン久しぶりに見たわよ」
まるで少女のように目をキラキラと輝かせるうーちゃんにポカンとする。
そうだった。彼女は綺麗なもの、整ったものが人一倍好きだった。
何だが凄いものを見つけたと言わんばかりの高ぶりに見てるこっちが恥ずかしくなる。