あなたと私と嘘と愛

「それにあーちゃんが言うほど悪い人ではなさそうだし。合格!あの人なら合格!」


この数分の間で優斗の何が分かったのだろうか?
これには納得しづらかったけれど、彼女の中で優斗への株が一気に上がってしまったのは事実。


「……まぁ、悪い人ではないと思うけど…」

「あ、認めたね?前はあんなに毛嫌いしてたのに、さては…、あーちゃんも彼に対して何かしら情がわいてきたんじゃないの?」

「情って…」

「もしかしてlove、的な?きゃー禁断!」


ちょいちょいちょい。
何を盛り上がっちゃってんの?
うーちゃんの頭の中は相変わらずラブ要素でいっぱいのよう。


「や、やめてよね。あの人は母の再婚相手なんだから…」


何故かニヤリと笑われたけど、次の言葉で現実に引き戻される。


「でもあーちゃんには今ラブラブな彼氏がいるんだったね。年上の素敵なダーリンが」


それを聞いて顔がピキッと強張っていく。
そしてこの言葉をきっかけにじわり瞳に薄い膜が。本当の母のように慕ってる彼女の姿を見たら昨夜から張り詰めていた不安と恐怖の糸が切れ、どわっと気持ちが溢れだしてくる。

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