あなたと私と嘘と愛
私は目の前のうーちゃんの手を掴んだ。
「…ふっ…、っ、そのことでちょっと相談したいことが…」
ぎょっとしたうーちゃんの顔が視界に映る。
だって涙が出た。
やっと誰かに話せる。
ずっと心細かった思いがぶつけられる瞬間がきたのだから。
「…わたし、どうしたら……」
「ちょっ、あーちゃん??」
号泣に近い泣きかたで今までの出来事を全て話した。
坂井さんの異常な束縛のこと。
そして彼の本性がストーカーだったこと。
その事実が判明し、昨日デートの途中逃げ帰ってきたことを告げると分かりやすくうーちゃんは呆気にとられた顔をした。
そして次第に難しい表情になる。
「これは予想外な展開ね…」
そう言ってすぐに考える仕草をし、私をベッドに座らせた。
「まさかそんなことになってたなんて。それであーちゃんはどうしたいの?彼のことまだ好き?」
「まさかっ…!むしろ逆、気持ち悪いし正直怖い。できればもう関わりたくないし顔も見たくないっ」
ピシャリ言い切った瞬間自分でも不思議だった。
少し前まではあんなに坂井さん一色だったのに、それが幻だったかのように急降下。
単純だと言われてもいい。
彼の上部だけしか見てなかったと言われてもしょうがない。
それを全部分かったうえで今深い後悔が生まれてる。