あなたと私と嘘と愛

「もしかしたら、恋に恋をしてただけだったのかなって、私も浅はかなとこは沢山あったと思う」

「…そう、それなら話が早い。ならすぐにでも行動に移すべきよ。1分でも早くその人と蹴りをつけた方がいいわ」

うーちゃんは鋭い目線をよこす。

「そういう相手なら曖昧な態度は絶対駄目だからね。前に私の友達で同じような被害にあった子がいるから分かるのよ」

だけど一方的な急な別れも相手を刺激してしまうため止めた方がいいと言う。

「じゃあ、私はどうしたら…」

「そうね、ここはしっかり作戦を練りましょう。慎重にいかなきゃダメよ。相手の逆鱗に触れないように落ち着いて。そしてはっきりと別れの意思表示をしなきゃね」

うん、と頷いたものの不安は募る。
だって恋愛初心者の私にはハードルが高すぎる。
上手くできるだろうか?
そんな心配を抱えながらうーちゃんと細々とした作戦を練る。

しかもその日、うーちゃんは私を心配しずっと側に居てくれた。
夜も泊まってくれるとまで聞いて心の底から安堵した。
それに感謝しながらこの日は優斗も入れて3人で夕食をとることになった。

食事中優斗の何か言いたげな視線を度々感じたけど、彼に坂井さんのことは告げなかった。

言わずに済むならそれに越したことはないと思ったからだ。
それに優斗には母への体の配慮もあるだろうし、余計な心配はかけたくない。

そしてその夜、うーちゃんに見守れながらここでようやく切ったままだった携帯の電源を入れた。
するとすぐに着信やラインを知らせる音が鳴り、あっという間に履歴がいっぱいになった。

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