あなたと私と嘘と愛
「いい加減にしないと僕も怒るよ」
「いやよっ」
「いいかい?君がどんなに否定しても亜香里は僕のものだ。それは変えられない事実なんだ。離さないし逃がさない。…それに知ってるんだよ君の秘密。亜香里のお母さんのことだ」
「…え」
「この前会ったあの男はお兄さんなんかじゃない。母親の再婚相手だろう?しかも君の母親は女優の月島悠里じゃないか?」
ひっと声が出そうになり、慌てて両手で口を押さえた。
全部知ってる。
この人もしかして…
「僕が月島悠里のファンだって知ってるのに黙ってるなんて酷いじゃないか」
「し、調べたの?」
「愛する人の全てを知りたいと思うのは当然のことだ」
「そ…んなの当然じゃない。やっぱりあなたは普通じゃ…」
「また僕の愛を否定するの?これ以上否定するなら僕も許さない。このことをマスコミに言ったら皆きっと驚くだろうね。月島悠里極秘結婚。しかも一回りも離れた年下とだなんて」
坂井さんの顔がいやらしく歪み、私を愕然とさせる。
今度は脅し?なんて人だろう。
そこまでして私を繋ぎ止めておきたいの?