あなたと私と嘘と愛
「さっきから自分が何してるか分かってる?」
「え?」
「しつこい付きまといと必要以上な待ち伏せ行為。おまけに脅迫までしたらこれって立派なストーカーだよね」
優斗…
なんで?どうしてと思った直後近付いてきた優斗が坂井さんの首根っこ掴む。そして勢いよく私から引き飛ばした。
「そんな薄汚い手でうちの大事な娘に触らないでくれる?」
「…っ…」
「なんで…」
庇うように優斗の背後に回された私は言葉が出ない。
広い背中が私の視界を遮断してあっという間に目の前が覆われる。
「いい年した大人が何やってんの?」
「なっ」
優斗に転ばされただろう坂井さんの焦った声がする。
「お、お前は…」
「今あんたが言ってた義理の父だけど?で、あんたは何してんの?」
「ぼ、僕はただ…、ス、ストーカーだなんて大袈裟な。僕は亜香里が心配で…」
「心配って便利な言葉だよね。そう言えば自分を正当化できる」
優斗の声がより低くなる。
焦る坂井さんとは対照的な落ち着いた声。
彼の背中から少し顔を出すと、坂井さんの姿が狼狽えたように見えた。
「さっきから亜香里は嫌がってるよね?それを見て強引に迫ってむしろ怯えさせてるように見えるけど」
「ご、誤解だ。亜香里とは少し喧嘩してるだけで別に脅してなんかない。僕達は愛し合ってるんだ。だからあんたが心配することは何も…」
「へー、愛し合う、ね」