あなたと私と嘘と愛
「しょ、証拠は!?僕がストーカーだって言うならその証拠を出せよ!しかも脅迫だってお前らが勝手に言ってるだけだろ!僕はそんなことをしたつもりはない!」
あくまで自分を正当化したいのか、坂井さんの暴言は続く。
ガラリ豹変した彼の態度にムカムカしながらも、こっちだって適当なことを言ってる訳じゃない。
「あっそ、でも証拠ならあるんでご心配なく」
「…え…」
「もういいよ。出て来てくれる?」
背後からざっざっと近付いてくる足音がした。
それは学校の校舎側からで、さっきまで聞いていたキャピキャピした友達の声。
「うひょー、全部撮れちゃった!」
興奮した様子で私の隣に歩み寄ったのは何故か瞳を生き生きとさせた真由だった。
右手には見慣れないハンディカメラを持っている。
「…えっ」
そこで驚いたのは私も同じだった。
真由とはさっき別れたばかりだ。
用事があるからといそいそと帰ったのを見届けていた私は不覚にも坂井さんと同様の驚きをしてしまう。
「じゃじゃーん!今のやり取りを全て撮らせて貰いました。もうバッチリ。完璧だよん」
自信満々の笑みをした真由に坂井さんの表情が一変する。
しかもピースまで見せられて放心した様子で固まった。
「…なっ……」
理解した坂井さんの顔が青ざめていく。
「撮ったって何を。今のを全部…」
「あんたさ、思ったより写真写り悪いよ。あれじゃない?昔から写真より実物のがいいねって言われるタイプでしょ」