あなたと私と嘘と愛

「おはよう」

目の前の人物と目が合った瞬間凍り付いた。
この香り…
視界に入った瞬間マツエクをつけた長い睫毛が上下に揺れ、テレビから抜け出たような完璧な笑顔が私の思考を真っ白にする。


「よく寝てたわね」

「………」


やけに清々しい表情の母が私を見てる。
それが異様に怖く、声が出ない。

いつ帰ってきたの?
いつからそこにいたの?

その疑問が瞬時に浮かんだけどそれ以上に心臓が激しく跳び跳ねる。

隣には優斗が寝てて、そんな状況をよりにもよって母に見られたと思うとドッドッと嫌な焦りが押し寄せる。


「2人仲良く添い寝?いいわね~」

「…あ、これは……」


口元だけが笑う。
笑ってない目がやけに攻撃的に見えた時隣の優斗も目を覚ました。


「…あれ、悠里さん帰ってたんだ…」


欠伸をしながらおはようと言った優斗。
その姿にギョッとする。

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