あなたと私と嘘と愛
そんな自分の変化に戸惑い、お酒を持って席を立った。
「あら、亜香里どこ行くのー?」
「ちょっと酔いが回ってきたから外に出て冷ましてくるの」
そうそう、これはお酒のせい。
珍しく続けざまに飲んだからだ。だってこんなもやもや私らしくない。
心臓がバクバクしてるのだってきっとそのせいにきまってる。
バルコニーに出て何度か深呼吸。
スイートルームだけあって外の景色が抜群だ。
ここで飲むと一段とお酒も美味しく感じそうで、気分も変わる。
なんて贅沢なのだろう。
今度真由も招待してみよう。
彼女にもいっぱい迷惑かけちゃったし、精一杯のお詫びをするつもりだ。
前にスイートルームに入りたいとか言ってたしね。
「ふぅ…」
そうして外の風邪を気持ちよく浴びると、いい感じに酔ってきた。
再び気分も落ち着きを取り戻した頃、右肩をトントンと叩かれる。