あなたと私と嘘と愛
…けど、次の瞬間ため息が。
「本当に世話が焼ける。君達親子は自分勝手に次々と。俺を困らせて楽しんでるの?」
「ま、まさかっ」
「なら戻っておいで。一緒に帰ろう」
呆れた口調なのにとても優しい。
そっと手を出された時、さっきの現実が押し寄せた。だからその手を掴めず首をプルプルと横にふる。
「や、やだ」
「え?」
「合わす顔、ない。帰れない」
急に怖くなった。
本人を目の前にした途端まともに目すら合わせられない。
「ゆ、優斗の言う通りだよ。迷惑かけてばかりで申し訳ない」
「ふ、一応自覚はあるんだ…」
「あるからもう甘えられない。甘えちゃ、ダメ…」
「……」
それを聞いた優斗が押し黙る。
私はそんな優斗に気付くこともできず、涙ながらに謝罪する。
「本当にごめんなさい。母があんなこと…。酷いことばかりしてごめんなさい」
何度謝ってもきりがない。
どうしようもないと思いながら、謝ることしかできない私はこの運命から逃れられない。
だってあれが母なのだ。
「正直顔も見たくない。できるなら親子の縁だって切りたいぐらい。…でもね、それができないの。何度傷つけられたって母だから。あれでもただ一人の家族なのっ」