あなたと私と嘘と愛
優斗の瞳が至近距離で私を見つめた。
体を離した彼が感情的に私の顔を覗き込む。
「もう自分の気持ちに嘘は付けない。俺は覚悟を決めた。だから亜香里の側から離れない」
「ゆう…」
「好きだ。亜香里が好きだ。家族ごっこはもうやめる」
真剣な眼差しに息が止まりそうになる。
だってそれは今まで見たことのない優斗の顔だ。雨で視界もボヤける中、脳裏に焼き付く姿に微動だにできない。
ずっと言葉にしちゃいけないと思っていた。この思いは決して実りはしないんだって。だから信じられなかった。
だって優斗は母のことが…
「…う、そだ。そんなの嘘、だよ…。だって優斗は母が好きじゃ…」
ドクンドクンと鼓動が高まる。
気持ちが混乱するのを必死で持ちこたえようとするけど、優斗の力強い言葉がそれを壊そうとする。
「俺が好きなのは亜香里だよ。悠里さんじゃない」
「!?」
そっと頬に優斗の手が触れた。
熱に浮かされたような熱い視線を送りながら、彼は再び私を抱き締めようとする。
「ま、待って…」
「もう我慢はしない」