あなたと私と嘘と愛
っ…
力強く抱き締められた。
さっきの包容とは比べ物にならないぐらい熱く、それは私を動揺させる。
亜香里…と、囁く優しい声。まるで熱に犯されているような言い方に震えが全身に駆け巡る。
それでもまだ信じられなくて、
「本気、なの?」
分からなくなる。
だっていつから…?いつから私を?
優斗はずっと母が好きだと思ってた。
まるで夢の中にでもいるような感覚。でも複雑で、やっぱりよく分からずに抱き返すことはできない。
「…わたし…」
「亜香里は何も心配しなくていいよ」
「え?」
「ただ自分の気持ちに正直になってくれればそれで。俺は全てを受け入れるから。亜香里を一人にしないって約束する。だから俺の方を見て」
「…優斗…」
「好きだよ亜香里。君が」
雨の中告白する優斗はまるで知らない男の人のようだった。
どうしよう…
いつの間にか私の瞳からは涙が溢れ、止まらなくなる。「優斗…」と彼の腕の中で感情的に涙を流す。
けどそれは僅かな時間。その後より強くなった雨のせいで流石にその場には居られなくなった私達は顔を見合わせ一旦帰ることに。
「ほら、乗って」
怪我をした私を優斗は何の迷いもなく背中におぶってくれた。
それが恥ずかしくてこそばゆい。
「これ以上ここにいたら二人とも風邪をひく。とりあえずまた後でゆっくり話そう」
頷いた私は素直に優斗の背中に抱きついた。優斗はそんな私をやっぱり優しく受け止めてくれる。