あなたと私と嘘と愛
「本当に母のことは何とも思ってないの?」
「思ってないよ。それは嘘じゃない。だからそんな顔されると困る…」
優斗が遠慮がちに私の頬に触れた。
真っ直ぐ私を見つめながら何かを我慢してるようにも見える。
「参ったな。さっきから気持ちが矛盾してる。どう扱っていいかがわからない」
「……」
「本音はもっと触りたい。ダメだと分かってても亜香里に触れたくてしょうがない」
「…優斗…」
そんなことを言われたら何もかもが壊れてしまいそう。この手に触れたい。
その気持ちは私だって同じ。
ずっと望んでたこと、だって私も優斗が好きなんだから。
「ごめん。困らせてるな。でも…」
優斗の手が頬を撫でる。
こんなに切なく言われたら私の気持ちは揺らいでしまう。
好きな人が目の前にいて、こんなことされたら誰だって思いが溢れる。
「…優斗…」
こんなに切ないのは初めてだ。
真っ直ぐ見つめ返すと熱い感情が込み上げる。
このまま時が止まってしまえばいい。
そう願ってしまう私は概に理性が崩れかけてるのかもしれない。