あなたと私と嘘と愛
「亜香里…」
もう泣くなよ、と優斗の指先が私の瞳に溜まった涙を拭う。
愛しい…なんて。
こんな気持ちはきっと優斗だけ。
この人の前ではとっくに気持ちが追い付かない。感情がコントロールできない。
だって好き、だもん。
もう限界かもしれないと思った直後、窓の外からピカッと激しい光と共にけたたましい雷の音が聞こえた。
「きゃっ…!」
ビックリするほど大きな音だった。
だから咄嗟に優斗に抱き付いたことにも気付けないまま。
続けて大きな稲光がズドーンと落ちた。まるで地震のように窓ガラスが細かく震えた直後、部屋の明かりがプツリと消えた。
「やっ…」
「…たぶん、近くで落ちたのかもしれない。この家の周りの電線がもしかしたらやられたかもね。流石に今のは俺もビックリしたけどって、…亜香里?」
少しの間の後ようやく優斗がぶるぶる震える私に気が付いた。
状況をすぐに察したのか、そっと背中に優斗の手がまわされる。
「どうし…」
「…こ、こわい。雷嫌い…」
震えながら呟いた。
小さい頃からこれだけはダメだった。おまけに暗所恐怖症な私にとってダブルの状況。ひどい震えと恐怖が襲う。