あなたと私と嘘と愛
だけどそんな私を安心させるよう、声をかけてくれたのは目の前の優斗。
「分かった。大丈夫。俺がいるから安心して?ほら、ゆっくり深呼吸できる?」
優しく抱き締めてくれた優斗の手が私の背中をあやすように擦る。
大丈夫、大丈夫とまるで呪文のような優い声に不思議。少しづつ恐怖がとりのぞかれていくのが分かる。
「ほら、何も怖くない。俺がずっとこうしてるから」
温かい…
そして涙が出るほど安心する。
ずっと一人だった。今までの私はベッドの上で毛布にくるまりひたすら雷が通り過ぎるのを待つのみだった。
だからこんな風に誰かが側にいてくれることが嬉しい。
嬉しくてホッとする。
「…ごめ、少し落ち着いてきた、かも。ありがとう」
暫くして息を整える。
顔を上げつつもまだ部屋は暗いまま。
唯一の明かりといえば、窓から差し込む遠くで光る雷の明かりだけ。
「良かった。もう怖くない?」
小さく頷くと、優斗に頭を撫でられた。
その仕草に胸が締め付けられる。
「そう、ならとりあえずこのままじゃ何もできないよな。確か玄関に懐中電灯あったと思うから一度見てくるよ」