あなたと私と嘘と愛
「……え?」
倒れ込む悠里さんを見て急に世界が変わったような気がした。
息苦しそうに顔を歪めた瞬間、次第に呼吸が荒くなる彼女が視界に映る。
ゼーゼーという呼吸音と共に胸を押さえ始めた姿を見て何事かと驚き駆け寄った。
「どうかし…」
「く…薬をっ、バッグに入って…」
そう言われ慌てた俺は指示された通りバッグをあさくる。
目に入った薬をすぐに手渡すと新しくお水も入れ直す。
「きゅ、救急車を…」
「や、めて…っ」
それだけは呼ぶなと言われ、一瞬躊躇う。いや、でもさすがに…
「すぐ、に、落ち着く、から…」
必死な抵抗に俺は迷いつつ、携帯を取る手を止める。ここで状態が悪化し意識を失うことがあればすぐに救急車を呼ぼうと決めたのだけど。
30分ほどして状態が落ち着いてきた為、俺は悠里さんを一旦俺のベッドへ寝かせて様子を見ることに。
「…ありがとう、優斗…」
「本当に大丈夫なんですか?」
ただ事じゃない事態に顔をしかめるが、
そこで俺は衝撃的な事実を知ることになる。